学びのポイント
Point1
ものづくりのスペシャリストに
電子機械科では、座学において電子・機械・情報分野の幅広い基礎知識を学習するとともに、充実した各種工作機械や最先端のコンピュータ機器のある、全国でもトップクラスの施設を使用した実習を通して、学んだ知識を実践する力や応用力を身につけます。
Point2
就職に強い!
3年間を通して実習や課題研究、各選択科目におけるものづくりを通して、課題を設定し解決する力や探求心を育成します。主体的に考え学び続ける姿勢は、日々技術革新の続く工業分野を生き抜く力を育みます。1年次より継続した就職指導により、毎年多くの就職希望者が希望する就職先へと内定を決めています。
Point3
進学にも強い!
2年次から始まる選択科目により、大学進学後に必要な理数科目をバランスよく履修することができます。指定校推薦やAO入試、総合型選抜で大学進学後、機械・電気・情報等の工学分野をより深く学び、大学進学後に企業で研究職についている卒業生もたくさんいます。
カリキュラム
令和4年(2022)年度 入学生からのカリキュラムとなります。
令和3年(2021)年度までの在校生に関しては、
教育課程をご覧ください。
2学年
・実習
・製図
・機械設計
・機械工作
・生産技術
・原動機
・情報技術応用
3学年
・実習
・製図
・課題研究
・メカトロニクスA
・メカトロニクスB
・メカトロニクスC
・メカトロニクス実践
工業技術基礎
旋盤、フライス盤、溶接、エンジン分解組立、ライントレースロボット製作の5つのショップを1年間で回り、電子機械に関する様々な基礎的技術を学習します。
製図
日本産業規格に基づき、線や文字の描き方、寸法線の描き方など、機械製図に関する基礎を学びます。また、コンピュータによる製図CADの基礎を学びます。
工業情報数理
コンピュータの基礎となるハードウェア技術とプログラミングの基礎となるソフトウェア技術を学びます。また、電子機械の各分野における数的処理に関する知識と技術、活用の仕方を学習します。
実習
ひとり1台のロボット製作を通して、旋盤、フライス盤、レーザー加工機、マシニングセンターなどの工作機械の取り扱いを学習します。また、コンピュータでの図面作成やロボットの制御基板の製作も行います。
製図
日本産業規格に基づき、機械部品の製図を行う。段階を踏みながら、より複雑な課題に取り組むことで、手描き製図の技術と能力の向上を図ります。また、CAD製図の技術の向上を図ります。
機械設計
力、仕事、運動などの基礎や、引張り、圧縮、せん断、曲げ、ねじりなど、機械を設計する上で必要となる基礎的な知識と技術を学習します。
機械工作
工業材料である金属、非鉄金属について基礎的な知識を学習します。また、鋳造、塑性加工、溶接、工作機械などによる加工法等についても学習します。
生産技術
オームの法則、直流回路、交流回路、半導体、トランジスタ、ICなど電気の幅広い分野の学習と機械技術、制御技術などの生産システムに関する学習します。
原動機
原動機械の基礎となるエネルギーや流体などの学び、流体機械、内燃機関、自動車など、原動機の構造と機能に関する学習します。
情報技術応用
1年次の工業情報数理の学習の応用として、情報技術に関するさらに深化した学習をします。
実習
将来の進路や興味により制御技術コースと機械技術コースに分かれます。制御技術コースでは、ロボット制御を通して制御技術の応用を学びます。また、複雑な3次元CAD/CAM技術を学びます。機械技術コースでは、旋盤・フライス盤・溶接の応用技術を学び、資格取得にも取り組みます。
製図
日本産業規格に基づき、機械部品の製図を行う。2年次の製図の応用として、減速歯車装置などの設計法、強度計算の仕方を学習し、組立図や部品図を製図します。また、3次元CADによる作図を学びます。
課題研究
電子機械に関する課題を生徒自身が設定し、その課題の学習、製作、問題点の解決を図ることなどを通して、専門的知識と技術の向と、問題解決の能力を身に付けることを目指します。
メカトロニクスA B C
技能応用、CAD/CAM、レーザー加工、制御技術など生徒それぞれが興味を持った授業を選択し、工作機械やプログラミング、コンピュータ製図などの技術と能力の向上を図ります。
メカトロニクス実践
グループで課題に取り組み、話合いを通して計画・実行・評価・改善を繰り返すPDCAサイクルを学び、継続的に改善する姿勢を身につけます。
PickUP!
◇オンラインボッチャの普及活動
今年もオンラインボッチャの普及活動に協力します!電子機械科2・3年生の有志が、NECのエンジニアに助言をいただきながら今年もランプロボットの製作に取り組みます。
この取り組みは、オンラインボッチャ普及協会、NECプロボノ倶楽部、電子機械科による共創活動です。
◇機械加工室設備紹介
旋盤
フライス盤
マシニングセンタ(高速主軸仕様)
レーザ加工機
交流溶接機
TIG溶接機・MIG溶接機
3Dプリンタ
製図室・ドラフター
◇実習
1年生での基本から3年生の応用まで、徐々にレベルを上げていき、より複雑な作品の製作、より高度な技術の習得を目指します。
◇製図
手描き製図は、各学年とも週2時間ずつ専用の製図板を使用し、技術と能力の向上に努めます。また、2年生からはCAD(コンピューターによる製図)も行います。2次元や3次元の最先端の作図ソフトが使用できます。
◇課題研究
2年間で学んできた「ものづくり」の集大成として、4・5人のグループで1年間かけて製作や研究に励みます。各グループが設定した課題を授業時間だけではなく、放課後や長期休業中も製作を行い、年明けに行われる課題研究発表会に臨みます。
資格取得について
電子機械科では、資格取得にも積極的に取り組んでいます。情報技術検定や製図に関わる検定など、電子機械科の授業内容に沿った検定試験では、放課後の補習なども行っています。
複数の資格試験に合格することによって、ジュニアマイスター表彰(特別表彰・ゴールド・シルバー)を受けることもできます。
全国工業高等学校長協会主催の試験
○情報技術検定 1級 ○計算技術検定 1級
○情報技術検定 2級 ○計算技術検定 2級
○基礎製図検定 ○計算技術検定 3級 など
国家試験など
○旋盤技能検定 ○溶接技能者評価試験
○危険物取扱者試験 ○数学検定
○アーク溶接特別教育 ○ガス溶接技能
○簡易ボイラー講習 ○クレーン・玉掛技能講習
○高所作業車特別教育 ○小型車両系建設機械特別教育 など
進路について
電子機械科では、毎年クラスの過半数の生徒が、自動車メーカーや大手製造業などに就職しています。これまで多くの先輩たちが残した信頼や実績によって、具体的な情報をもとに安心して自分に合った就職先を探すことができます。
また、4年生大学に進学する生徒のほとんどは、学校推薦型(指定校)や総合型選抜を利用しています。早い時期から目標を見定めることにより、しっかりとした準備と対策を取ることができます。
進学
主な進学先
豊橋技術科学大学 横浜国立大学
神奈川工科大学 神奈川大学 関東学院大学 湘南工科大学 千葉工業大学 東京工科大学 東京電機大学 東京都市大学
日本工学院専門学校 日本航空大学校
就職
主な就職先
いすゞ自動車 小田急電鉄 花王:川崎工場 キヤノン 麒麟麦酒:横浜工場 京浜急行電鉄 SUBARU東京事業所
ジャパンマリンユナイテッド:横浜事業所 磯子工場 総合車両製作所 JR東海:新幹線事業部 東京精密 日産自動車
日清オイリオ:横浜磯子事業場日本フルハーフ 日本電気 ミツトヨ:研究開発本部 三菱電機:鎌倉製作所 武蔵エンジニアリング
卒業生からのメッセージ
電子機械科 2020年卒業 中川 楓
キヤノン株式会社 デジタルプリンティングデバイス品質保証課
今こんな仕事をしています!
インクジェットプリンターの品質保証業務を行っています。試作品の操作性の確認などを行い、品質が良くないと感じた部分を指摘し、改善点の確認をします。この作業を繰り返すことで製品の品質向上に貢献しています。ひとりで任される作業も多く、責任感を持って仕事をしています。また、お客様の満足に関わる仕事にとてもやりがいを感じています。
高校時代の思い出
課題研究でコマを製作し大会に参加したことが一番印象に残っています。15分回り続けるコマの製作を目標に、仲間とともに試行錯誤を繰り返し、満足いくコマができたときの感動は忘れられません。そして、その時の経験が今の仕事にも活かされていると感じています。
電子機械科 2020年卒業 金内 勇成
NECスペーステクノロジー株式会社 生産本部機器製造検査部
今こんな仕事をしています!
私の会社は人工衛星および宇宙ロボット搭載機器の開発・組み立て・試験を行っています。
その中で私は機器製造検査部に所属し、基板実装という業務を担当しています。プリント基板へのハンダ付けや接着作業などを行いますが、ロケットの限られたスペースに収めるために顕微鏡を使用した精密な作業や、宇宙という過酷な環境に耐えうるための正確な作業などとても高い技術が求められます。日本の宇宙開発に貢献できるとてもやりがいのある仕事です。
高校時代の思い出
課題研究では「振って発電するウェアラブル発電機」を製作しました。これまでに誰も作ってないものに挑戦したので、電気の知識をはじめ、電子機器などの研究に多くの時間を費やしとても苦労しましたが、最終的には災害時でも携帯電話を充電することができる製品を完成することができました。仲間と協力し合いながらのものづくりは、苦労もありましたがとてもいい経験になっています。
電子機械科 2020年卒業 中村 純之助
東京電機大学 工学部 電子システム工学科
今こんな仕事をしています!
大学では基礎科目に加え、電気回路や電磁気学、C言語プログラミングなどの専門科目を学び、自力で高度な回路設計ができるように頑張っています。いくつかの専門教科は高校で基礎を学んでいたので、あまり苦労もなく理解することができています。また、大学ではエネルギー研究部と電子技術研究部に所属し、仲間とともに研究や製作に励んでいます。
高校時代の思い出
高校時代はモータースポーツ部の部長として電気自動車を製作し、Ene-1GP MOTEGI大会に参加していました。目標に向け課題を決め、作業をこなしつつ部員にも的確な指示を出す必要があり、大会前などはとても大変でした。しかし、車体が出来上がっていく喜びと完成した時の達成感は忘れることができない良い思い出となっています。
○一人 ひとりが生涯 にわたる「well-being」を実現するための資質や能力を育みます。
○第4次産業革命が進む産業界において、自身の専門性を発揮して変化に対応し、多様な他者と協働的に活躍するための資質や能力を育みます。
カリキュラムポリシー
○専門学科として生徒一人ひとりの興味や関心に応じた学習や、進路実現に応えることができるよう、柔軟性の高いカリキュラムを編成します。
具体的な取り組み
○全国屈指の設備を用いて機械、電気・電子及び情報分野の学習を体系的に行うことで、ものづくりに係る視野の拡大を図ります。
○相互理解の深化や、思考力・判断力・表現力を伸長するために、対話的な協働学習を重視します。
○一人ひとりの自己実現に向けて、礎となる基礎学力の定着に向けた活動に取り組みます。
アドミッションポリシー
○「ものづくり」に興味・関心を持ち、社会に貢献する意欲のある生徒。
○何事にも目的意識を持ち、他者と協力しながら取り組める生徒。
○好奇心が豊かで自ら学び、自ら考えることのできる生徒。